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作品紹介

書籍(写真絵本/写真集)のエディトリアルデザイン 『大接近!工場見学 ゴミとリサイクル編』全6巻(岩崎書店)

今年の初旬に発刊された『大接近!工場見学 ゴミとリサイクル編』全6巻(岩崎書店)。小学校の図書室向けに作られる本です。小学生向け写真絵本のような位置づけです。表紙から本文ページまで全て当デザイン事務所がエディトリアルデザイン(装丁)を担当しました。書店に並ぶことがないので、表紙のタイトルを下の方に配置しても大丈夫(←書店に並ぶときにタイトルが隠れてしまう)という自由度があり、新鮮な気持ちで表紙をデザインしました。表紙も見返しも本文も奥付も全ページ全面写真にしました。地味な挑戦ですが、きっと読者の深層心理に届いていることでしょう。大満足の装丁となりました。おおむね写真の迫力のおかげでデザインが5割増しでよく見えているとは思いますが。
シリーズとしての統一感は保ちつつ、6巻バラバラなデザインの表紙にしたいという編集者の要望もうまく対応したおかげで、なかなか良い6巻組の表紙になりました。
本の内容もとても面白く、「給食」編は作業しながら感動したものです。
制作スタッフが「賞を狙っている」とのことでしたが、いけるでしょう! 賞とってください!
文章・構成は高山リョウさん。写真は大学からの友人 富永泰弘 さん と添田康平さん 。文章の魅力と写真の仕上がりもシリーズ過去最高だと思います。お疲れ様です。

写真が中心の書籍のエディトリアルデザイン

大まかな構成は文・構成の高山さんが作ったのですが、細かい写真の大小やレイアウトはこちらで考えています。
 この本のような写真集的な写真が中心の書籍のページレイアウトで気をつけていることは、写真同士の、<メリハリ>と<相性>。本全体の流れと見開きの印象が単調でつまらないものにならないようまずメリハリをどうつけるかを重要視します。見開き1点の全面写真の次の見開きはたくさんの写真のコラージュ、その次は写真3点を大きく、次はまた見開き1点写真…などなど。ページをめくって見飽きないようなページ構成を作っていきます。映画の絵コンテを描くような感覚で大まかな写真構成を考えます。大まかな構成が決まると見開き単位のメリハリをつけていきます。大小のメリハリをつけるだけではなく、同じ大きさで並列に並べたほうが迫力やストーリーが生まれる場合もあります。メリハリをつけたりつけなかったり。
見開きの写真構成、レイアウトで気をつけるのは写真の<相性>。例えば2枚の写真を並べたときに“微妙に違う写真”が並ばないように気をつけています。同じテイストの写真を並べるか、全く違うテイストの写真をぶつけるように並べるか。片方がモノによった写真ならもう片方は引いた風景のような写真にするなど。
<メリハリ>と<相性>の関係性がおかしくならないように、ストーリーがわかりにくくならないように、迫力や知性が現れるように…いろんなチェックポイントを意識しながらパズルを組み立てるようにページ構成を作っていきます。そう、エディトリアルデザインの醍醐味は美しく完成するパズルを組み立てるようにデザインすることです。上手くはまった時の気持ちよさはなんとも言えません。なんどもなんどもニヤニヤしながら構成されたラフを眺めてしまいます。

シリーズとしての装丁

今回6巻組の書籍のデザインということで<シリーズもの>の装丁は少し特別で緊張感があります。全部いっぺんにデザインをするわけではなく、材料が揃ったものから順にデザインの依頼が来まして、なんとなく先の巻で起きる不都合を想定しながら、個性を出すためにデザインで冒険をしていきます。今回の書籍で言うと全て写真を断ち落とすというデザインフォーマットを最初に決めました。つまり、誌面から余白を全部無くしました。(奥付と解説の文章の背景もかろうじて薄い写真を配置しています)。最初の巻はそのデザインフォーマットでうまくいっても残りの巻で不都合が起きたら最初の巻からやり直しです。「なんとかなるだろう」というおおざっぱ気持ちと「経験上なんとかできるはず」という自信をもってデザインフォーマットを作っていきます。なんとか最初のコンセプトを踏襲して最後まで統一されたデザインで走り抜けることができました。おかげさまで個性があり統一感もありかっこいいデザイン装丁の6巻組書籍が完成しました。(実は好評で続巻が出るとの噂があり、このフォーマットでもう何巻かデザインできるのか少し緊張中)。

大きいシリーズとしては3シリーズ目

 子供向けの写真絵本として「密着!お仕事24時(全6巻)」、「大接近!スポーツものづくり(全6巻)」、についで今回の「大接近!工場見学 ゴミとリサイクル編(全6巻)」のデザインでした。3シリーズとも著者と写真家、サイズやページ数など一緒です。それぞれのシリーズごとにデザインの良さや特徴はあるのですが、やはり段々と良くなってきています。同じチームで仕事を続けるメリットがうまく出ています。いい本が出来上がると、<いい完成形>を共有することができ、カメラマンはよりシリーズに合うかっこいい写真を撮ってきて、デザイナーは写真の扱いに慣れてきて、著者はより見栄えの良い物語構成を作ってきてくれているように思えます。4シリーズ目もさらなる飛躍したかっこいい本を作れるますよう、祈っています。

ぜひ当社にエディトリアルデザイン・カタログデザイン・パンフレットデザインをお任せください

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